平成30年6月13日プラザおでってにて、勉強会「不登校を経験し感じたこと、得たこと」を開催致しました。不登校を経験し社会人かつ親となった方を講師にお招きし、貴重な経験をお話して頂きました。
普通制の高校、通信制の高校を2度中退した後、高卒認定を取得し大学入学。しかし、大学入学後、やりたい事ではなく再度大学にいかなくなり中退。その後仕事に活かす為の資格も取得。15歳から22歳まで不登校、就職してからは不登校時期と同じくらいの7年も仕事を続けている、という経歴の持ち主。不登校時期の葛藤や苦悩をリアルな言葉、ユーモアを交えながらのお話、参加者の皆さん、自分の子供と重ね合わせて聞き入ってました。
幼い頃から人と比べられるのは嫌、夢中になると止められない、じっとしているのが苦手、今のお姿からは想像できないですが、そんな克服できない特性を個性として折り合いをつけて生きてこられたそうです。教室に入るとお腹が痛くなる、学校に行けない…不登校の時期は夕方が嫌いだった…学校から普通に帰る学生たちの声が聞こえてくると「なんで自分にはできないんだろう?」と切ない気持ちを抱えていたそうです。9か月間殆ど家から出ない時期もあったとのこと。そんな講師がどうやって外の世界に出られるようになったのか?今の姿になれたのか?1通のメールがきっかけで9か月の引きこもり生活から外に出るようになったそうです。人との関わりで苦悩したり、人との関わりで道が開けたり、人間ってそういう風にできているんですね。
不登校時期でも読書家だったという講師。悲観的な作品を好んで読まれていたそうですが、自分本位な間違った価値観に固執してしまわないように、色んな価値観に触れさせる、色んな作品に触れさせることが大切とのこと。出会う作品によっては犯罪に走ってしまったり、死を選んでしまうことにもなりかねない。不登校真っただ中、現在進行形で苦しんでいる子の為に親は様々な作品に触れさせたり、興味が向きそうなものを示してあげたり、親としてできることは余計な声掛けや押し付けではなく、隣に寄り添い、色んなチャンスや可能性を示してあげることだ、とおっしゃいます。
現在進行形の子供を持つ参加者は涙腺が緩んでしまうお話が沢山ありました。心の葛藤、苦悩を乗り越え、処世術、哲学を身に着けて今に至っているのだなと感心させられました。こだわりや心の中の葛藤は一生続くだろう、とはおっしゃってますが、ユーモア(女装の先生がいるタイが大好き…のお話面白かったです)に長けていたり、人の心の痛みが分かる優しさや人を惹き付ける才能があったり、不登校時期に積み重ねたものは本物だったのだと感動させられました。
我が子(不登校経験はないけれど、その要素は秘めている小2男児)が以前主治医から言われた「大器晩成という言葉があるじゃないですか。こういう子こそ本当は大事にしなけれなばならない」という言葉を思い出しました。引きこもりと言われる時期は人生の中でほんの少しかもしれない。出口の見えないトンネルの出口はすぐそこかもしれない。細く長く続くかもしれない。ただ、引きこもりと言われる人達はとても感受性の強い人達。苦悩、葛藤の中、何かを感じ取り吸収し、将来大きく花開かせるかもしれない、ダイヤモンドの原石が眠っている、という事実を周りの親、大人、社会が理解し可能性を示してあげることが大切なんだ、と心から思いました。
今回貴重なお話をお聞かせ頂きありがとうございました。現在進行形の私達に又お話して頂けたら、と思います。