6月2日(日)に「災害時のハックを学ぼう!2019〜自衛隊が先生編〜」がアイーナにて開催されました 。
昨年度の「防災訓練してみよう!」に引き続き、今回はなんと!自衛隊の方に先生になってもらって、楽しく防災学習に挑戦しました。
危機管理のプロである自衛隊の方々が、東日本大震災の際に私たちを助けてくださった姿は、今でも目に焼き付いています。
そんな自衛隊のテクニックやアイディアの中から、私たちにもできる、知っているといざという時に役立つ防災ノウハウを集めた書籍「自衛隊防災BOOK」が発売されていることをご存知でしょうか?
その本に着想を得て、”子ども達にもできる” 災害時のハックを、”楽しく” 親子で体験するプログラムを用意しました。
自衛隊の先生に学ぶロープワークでは、普段触ったことのない太いロープに興味津々のみんな。
結んで、ほどいて、絡まって(?)、一生懸命学んでいました。
お父さん方が苦戦する中、颯爽とロープを操って、結びを完成したお母さんもいて、賑やかに時間が過ぎて行きました。
純情米いわてさんからご提供いただいた「銀河のしずく」を使って、ポリ袋炊飯にもチャレンジ。
鍋を洗わず、水を節約しながら、時短で調理できる、被災時にうってつけの調理法です。
被災時には、もし食中毒になってしまっても簡単にお医者さんにかかれず、薬の確保も簡単ではありません。
だからこそ、「衛生」に気をつけることが大事。
ものが不足する被災時に、どうしたら衛生的に食事を摂ることができるか、身近なもので工夫する技を体験しました。
ここで再び自衛隊の先生が登場。
お椀にポリ袋をかける方法のコツを伝授してくれました。
みんなそれぞれ、袋の空気をスーーッと吸い込んで…。
「ハァ、ハァ、ハァ…。なかなか息が続かない…。」という声が聞こえたと思えば、お椀にポリ袋をぴったり密着させることに情熱を注ぐ姿も。
酸欠にならないように注意!!
チラシとポリ袋でスプーンも作ってみました。身近な材料で作れることを覚えておけば、被災時にもきっと応用できるはず。
お菓子のじゃがりこを使って、お楽しみのポテトサラダ作り。
「お湯を入れちゃうのもったいないな…」と言いつつも作業を進めました。
お味噌汁の配食体験では、自衛隊式に、なんとクーラーボックスから!お味噌汁をよそってもらいました。
被災時に難しかったことの一つに配給の列に並ぶことがあります。
実際の列より短いかもしれないけど、スモールステップで。
お腹が空いていても、頑張って並びました。
お味噌汁をこぼさないように、ソロリソロリと運びました。
ポリ袋で炊いたご飯でおにぎりを握り、好きな味付けでアレンジ。
じゃがりこのポテトサラダ、お味噌汁と一緒にいただきま〜す!
スプーン作りが楽しかったのかな?普段飲めないお味噌汁も自作スプーンを使って飲んでおかわりした子も。
さらに、お家に帰っても自作スプーンを使って食事をしたとか。
非常食が食べられなかったとしても、ローリングストックで普段食べているものを備蓄しておくことで、被災時の食の心配を減らせます。
各家庭のスタイルに合わせて備えをしたいですね。
アイーナに常備されているイーバックチェアの操作も体験&見学しました。
歩けない状態の人を運ぶことができる階段避難車。
こんなものがあったとは!
アイーナにある、災害時に役立つ物資や人(防災資源)を探すウォークラリーも行いました。
各チェックポイントのボランティアさんを見つけて、思わず走り寄るみんな。
シールをもらって、真剣に説明を聞いていました。
「見たことあるけど…そういう意味だったんだ。」
イーバックチェアも、非常口や防火扉などの防災資源も、使わないに越したことはありません。でも、知っていることで子ども達の命が守られるなら知っておいてほしい。今回のウォークラリーは、そういう願いを込めつつも、体験学習を楽しむための一つの形でした。
ゴールに用意された、身を守るための参加賞。
乾燥りんごには自分の名前を書き込めて、自分のもの、という感覚を持てます。
長時間に及ぶ防災学習も大詰め。
いよいよ最後の学習、おやつ(代替食)の試食です。
混乱の中でとても調理などできない時、精神的に食事を摂りづらい時、調理不要で食べてほっとするおやつ(代替食)の存在は重要です。
大変な時でも、自分が美味しいと思えるおやつを食べることで、少しでも心が安らげますように。
今回の試食は、
・パンの缶詰(救缶鳥)
・イザメシ チョコバー
・イザメシ あんこ餅
・乾燥フルーツComeCome 乾燥りんご
あんこ餅作りにキャッキャと取り組む子、チョコバーを親の分まで食べてしまう子、りんごは食べられないのに、乾燥りんごなら美味しく食べられた子、このパンなら朝ごはんにできるとコメントを聞くこともできました。
長期保存できるおやつを楽しみながら試食したことが、次の防災学習への意欲に繋がったとしたら、そんな嬉しいことはないと思っています。
一方で、参加しようと頑張ってくれたけれど、どうしても無理だった子ども達もいました。
お家でなら、ロープワークだって、ちょちょいのちょい。
お家でなら、いつもと違うポリ袋に包まれたおにぎりだって食べられる。
お家でなら、食べたことのないものの試食だってチャレンジできる。
防災は大事なことだとわかっている、できれば体験させたいと思っている。
でも、どうしても行けない。
どうやったら興味を持ってもらえるのか、どういう形なら参加できるのか。
一歩ずつ前進できると信じて、長く続けるためにみんなで考えていきたいです。