平成30年8月5日ふれあいランドにて、特別勉強会「アナログゲーム療育講座・親子体験会」が開催されました。講師はアナログゲーム療育アドバイザーの松本太一先生。放課後デイサービス指導員としてアナログゲーム療育を開発なさり、現在は療育施設での療育実践や支援者向け研修を実施なさっている先生です。
午前の部はアナログゲーム療育講座。思考やコミュニケーションの前提となる認知能力の発達支援を目的としているアナログゲーム。例えば、この人は何を考えているのかな?怒っているのかな?と判断、推理、想像したりする認知能力をアナログゲームを通して上げていこう、というお話を頂きました。
年齢ごとに4つのステージに分け、説明して頂きました。まずはステージ1(1歳半~2歳)から。この時期は言語獲得の前提となる「シンボル」の存在に気付く時期。動きや音や感触といった感覚刺激から物に名前があることに気付いたりシンボルの世界に入る時期。「マイファーストゲームフィッシング」というサイコロの目や色や形を名前と一致させ魚を釣るゲームです。参加者の皆さんも手に取って触れて、魚を釣ってみました。指導者は大げさに喜んでみせたり、失敗したら残念な態度を示したり、失敗しそうになったらそのまま失敗させ、再度やり直しをさせる、等の指導ポイントもお話頂きました。他にも「虹色のへび」というゲームを実践しました。ステージ2、ステージ3の子供でも役に立って楽しいゲームです。頭から尻尾まで揃えて多くカードを取った人が勝ちです。沢山の色がきれいに配列されているので分かりやすく、色や数でシンボルを獲得できます。参加者の皆さんニコニコ楽しそうでした。
ステージ2(3歳~7歳)では言葉や数の世界を拡げる時期。シンボル機能が形成されてきて、数概念も形成されてきますが、順位や得点の概念は未完成である為、得点の数合わせをすると数概念につながる、というお話を頂きました。ルールを守ることで言葉、数への理解、道徳心を養うことを指導目標としています。「レシピ」というお子さんに一番人気というゲームを紹介して頂きました。文字、絵柄を理解して相手が何の料理を作っているのか推理していくゲームです。勝った上位2人の名前を言ったり、状況を一つ一つ丁寧に説明していく、とのポイントもお話頂きました。
ステージ3(7歳~12歳)では相手の気持ちを聞かなくても理解できる、臨機応変なコミュニケーション能力を獲得する時期です。3っつ並んだ山を作り、自分から見える景色と違う角度から見える景色を推測するという実験があるそうです。対人と自分とは違うという意図を想像できるようになるそうです。「かたろーぐ」というゲームを紹介して頂きました。5歳くらいから使えるゲームでサンプルチラシを使って、相手の心情を探るゲームです。飛行機好きの子が排気口や搭乗口のカッコよさで飛行機を選び、その独特な興味がゲームを盛り上げたそうです。
ゲームの選び方として、発達段階に合わせた課題を用意し、レベルを合わせてあげるのがポイント。でもゲームをやってくれない…難しいのかな?と思った時はレベルを少し下げたり、どのゲームにしようか迷った時は簡単な方を選んだり。ゲームに課題が付いているのではなく、その子に対しての課題を設定することが基本。ゲームのこの課題をやらせよう、と躍起になってしまうと、本来の意図と本末転倒になってしまうのですね。
午後からはアナログゲーム親子体験会。松本先生と盛岡ボードゲームクラブの方々のご指導の下、各テーブルに4、5人に分かれてゲームに興じました。遊びに来てくれた子供のレベルに合わせて大人も一緒にどのテーブルも盛り上がってました。長~いへびも出来てましたよ。1時間という短い時間でしたが、何種類かのゲーム体験ができてアナログゲームの深さを体感したのでした。
今回ご紹介頂いたゲーム、盛岡市内で販売しているお店を紹介させて頂きます。
前潟のイオンモール盛岡2階の「白牡丹」 @hakubotan_morio
みたけの「ホビースクエアにしな」 @nishi_now
材木町の「靴のえびすや」 https://item.rakuten.co.jp/evisu-ya/c/0000000192/ …
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