8月30日アイーナにて、岩手大学人文社会科学部准教授 奥野雅子先生をお招きして、勉強会「発達が気になる子の成長と関わり方について」を開催致しました。
自分の子供が成長していったら、どんな子、どんな大人になるんだろう?発達が気になる子供を持つ親なら誰もが思うことだと思います。そんな疑問に対し、実証に基づいたお話、数多くの体験談をお話して頂きました。
まず最初に、人間はみんなスペクトラムの中にいる、どんな人でも障がい者といえるのではないだろうか。そして先生は「適応」という言葉が好きではないとおっしゃいました。色んな状況がある中、適応できないことは誰にでもあるはず。適応という言葉で括ってしまうと、適応できない子が悪いということになってしまう。そこで耽溺(たんでき)(一つのことに夢中になって他のことを顧みないこと)という言葉の方がしっくりくるのでは、ということをお話されました。なるほど、自分の子供も適応できない、というよりは耽溺の表現の方が合っている‥
そんな耽溺な子供達は健常者よりも感受性はむしろ鋭敏であり、ゆっくりと螺旋を描くように成長していく。ひけめから劣等感を感じるようになる乳幼児期、学校や学友など他者との関係性が増えていき様々な葛藤がある児童期、身体面と心理面のズレを覚える思春期、そして反抗期。親としてどう対処してあげたらいいのだろう?ここに書ききれないくらいお話して頂いたのですが、印象に残ったお話を‥。
芸術的な関わり(一緒にお出かけ、旅行、映画を見て感想を言い合ったり‥等)を持って非言語的な関わりを取り入れる。ことばで表現することが楽しい、ということを教えてあげる。ポジティブな声掛けする面白さを持つ。子供の内面を見つめ、時には医療機関や相談機関を受診することも大切。参考になるお話を沢山頂きました。
先生の型にはまらない語り口調。その時その時、体験談を思い出し楽しい雰囲気でお話して頂きました。そんな語り口調に受講者の皆さんも引き込まれていた様子でした。子供の将来の不安を感じた時の、適切な対処のヒントと勇気を沢山得ることができた勉強会でした。